国防の歩み 2017 7 16

書名 日本人「米軍中佐」が教える日本人が知らない
   国防の新常識
著者 アメリカ空軍中佐 内山 進  彩図社

 私が、このサイトを2003年に立ち上げた目的の一つは、
日本の国防を心配したからです。
 私は、2003年から、日本の国防に対して、
数々の提言を行ってきました。
 2003年から思い起こせば、
まず、空中給油機の導入を強く主張したことだったと思います。
空中給油機を導入すれば、戦闘機の航続距離が大きく伸びて、
空母を導入したような効果が期待できます。
 政治家たちは、いつも「専守防衛」と言いますが、
このような戦法を取ることができる国は、
国土が広い中国やロシアだけです。
 日本のような国土の狭い国で、
「専守防衛」のような戦法を取ってしまったら、狂気の沙汰です。
日本にとって、このような戦法は、「国防の自殺行為」のようなものです。
 次に、指摘したのは、
日本の自衛隊の装備品は、あまりにも中途半端なものが多いということです。
 私は、「税金を投入して兵器を作るならば、
世界最強のものを作れ」と主張しました。
 税金で中途半端な兵器を作ってしまい、
国防に役に立たないとしたら、多くの納税者が納得できないでしょう。
 さらに、私が強く主張したのは、
交戦規則(Rules of Engagement)の制定です。
 これを聞いて、政治家たちは、「軍国主義の復活だ」と言っていましたが、
こうした政治家たちの言い分に、私は、「唖然」としました。
 そもそも、交戦規則とは、
軍の行動を制約して、文民のコントロール下に置くのが目的です。
 だから、日本の政治家たちの言い分は、
「文民統制をしたくない」と言っているようなもので、
政治家としての責任を放棄しているようなものです。
 私は、「これは、日本の政治家は、軍事知識が乏しいので、
文民統制をやりたくないという深層心理が働いている」と分析しました。
 ここまでが、取り急ぎ、2003年中に、
私が主張したことだったと思います。
 しかしながら、私は、軍事を体系的に学んだことがないので、
専門家である内山氏の本は、大いに参考になりました。

非対称の時代 2013 1 14
 私が発展途上国の軍事指導者だったら、こう考えます。
「残念ながら、わが国では、工業力の塊である戦車を作ることはできない。
 戦闘機だって同じである。
機体を真似て作ることはできても、高性能なジェットエンジンは作れない。
 艦船も同じだ。
外見を真似て作ることはできても、高出力のエンジンは作れない。
 さあ、どうするか。
もはや、わが国は先進国に勝てないのか。
 ちょっと待て。
安価な対戦車ミサイルで、高価な戦車を撃破できると聞いたことがある。
 そうだ。
わが国でも、ミサイルならば開発できる。
対戦車ミサイルどころか対艦ミサイルや対空ミサイル、
いや弾道ミサイルだって作れる。
 さすがに米国まで届く長距離ミサイルは技術的に難しいが、
近距離の弾道ミサイルだったら、100発でも200発でも作れる。
こうしたミサイルを大量生産できる」
 このように発展途上国の軍事指導者は、現実的に考えますが、
先進国の軍事指導者は、相変わらず、
戦車対戦車、戦闘機対戦闘機、艦船対艦船の戦いを想定しています。
 実に、非対称の時代になったものです。
そう言えば、昔も似たようなことがありました。
 日本海軍は、戦艦対戦艦の戦いを夢見て、
世界最大の巨大戦艦「大和」を建造しましたが、
時代は、空母の時代、いや航空戦力の時代になっていました。
 さて、国民からは、ミサイル時代になっても、
日本には、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だという安全神話が出てきそうです。
 しかし、ミサイル防衛システムというものは、
技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
理想的な条件が揃えば、ミサイル防衛システムは有効かもしれないというレベルです。
 では、対応策はないのか。
これは、何度も書いていますが、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
 それができないならば、次善の策として、
巡航ミサイルを500発程度用意することです。
潜水艦発射型でも駆逐艦発射型でもいいでしょう。

























































































































































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